2008年2月3日午後4時頃、栂池高原スキー場にて雪崩事故がありました。
JANでは、1月31日から2月3日まで、セイフティキャンプを同スキー場上部のバックカントリーエリアにて開催しておりました。また、事故翌日2月4日に栂の森ゲレンデにて積雪観察を行いましたので、栂池高原エリアにおける積雪コンディションの傾向について、把握している内容をお知らせ致します。
積雪状態については、2月4日に観察したデータを元に記述致します。詳細データはSPINをご参照ください。
<降雪および不安定性のサイクル>
それまでの不安定性が解消に向かいつつあり、安定性の改善が見られていた積雪は、080129に粒度3mm程度の樹枝状結晶が降り、それが続く降雪に埋もれることで、一気に不安定化しました。この層は、自然発生もしくはスキーカットでサイズ1~2の雪崩を起こしています。雪の掲示板の080130稗田山、080130栂池BCなど。
080129の樹枝状結晶は、5cmから厚いところでは10cmほどの層を形成し、広い範囲で観測されています。たとえば080130大毛無山など。そして、この不安定性が080201の妙高高原三田原山での雪崩事故の原因となったと思われます。
080129の樹枝状結晶の層は、栂池高原栂の森のピットでは54-59cmの深さに存在し、徐々に焼結が進みつつあります。図ではCの位置になります。
080204に行った栂の森での積雪観察において、もっとも不安定性を示したのは080131から080201の朝にかけての降雪がもたらした、粒度3mm程度の樹枝状結晶でした。ピットでは、深さ35cm程度の位置に厚さ3cmほどで存在し、バープテストで容易く破断します。図ではBの位置になります。
080202に天気は好天し、降雪サイクルは一旦終了しています。そして080203から降雪が始まりますが、その初期にやや粒度の大きな結晶が降り、図でAの位置に存在します。焼結は進んでおらず、結合状態は良いとは言えませんが、バープテストでは結果は出ておりません。ここから上部は結束性のない、低密度の雪が積もっています。積雪表層の7cm程は080204の降雪となります。
上記を整理しますと、バックカントリーエリアを滑走する人にとって、留意すべき不安定性が3箇所に存在していたことになります。
A)080203の非常に結束性のない降雪
B)080131-080201の樹枝状結晶の層
C)080129の樹枝状結晶の層

Aは点発生雪崩を起こしうる存在です。とはいえ、上部の雪量が少ないことや、低密度であることから、規模の大きなものとはなりくにいと考えられます。また、Bは特徴ある地形形状であれば自然発生の雪崩の可能性がある不安定性を示していますし、さらにそれ自身が破断しなくとも、Aを起因とする点発生雪崩がBの不安定性の引き金を引くケースも考えられます。一方、Cについては、その位置する深さや焼結が進みつつあることなどから、自然発生は考えにくいのですが、それが浅い位置にある場所や、大きなストレスが掛かっているところでの人為的な誘発に留意が必要な状態でした。
<発生した雪崩の原因>
発生区の確認ができておらず、また流下した雪崩やその現場の調査をすることができなかっため、言及することはできません。
お亡くなりになられた方のご冥福をお祈り致します。
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