更新日時: 2025/02/28 05:00
アルパイン Fair
森林限界 Good
森林帯 Good 凍結斜面の日中の昇温による融解の程度
信頼度:○ good □ Fair △ Low
今日は、気温上昇に伴い、凍結行動がどこまで上がるかです。昨晩の冷え込みで凍結していた斜面が、日中の日射と気温の影響を受け、融解し、濡れた状態に変化します。標高の低いところでは、雪は重たくなり、急峻な地形ではスノーボールなど、濡れた雪による雪崩の兆候が現れるので見逃さないように。全層雪崩の危険も上がりますが、この予測はとても難しいため、危険性のある地形の下を避けることが賢明な判断です。高い標高の稜線付近の東斜面では、地形ポケットにウインドスラブが残っていることを忘れないように。
高い標高の東側の斜面では、地形ポケットにウインドスラブが残っています。これまでの西寄りの風は、稜線直下の斜面などにスラブを作ってきています。
低い標高では、日中の高い気温によって、雪の結合力が低下します。凍結硬度は1,000 mまで上昇することが予報されていますし、好天による強い日射の影響もあります。よって、急峻な地形では方位に関係なく、その危険が上がると考えることが必要です。
気温の急激な上昇と、それに伴う融解水の影響によって、標高の低い場所では、全層雪崩の危険が上がると考えてください。既にグライドクラックが入り、全層雪崩の危険がある場所は避けるようにしてください。
昨日(27日)、新しい雪崩の報告はありません。直近の発生情報としては、26日に、ニセコエリアの標高950 m、東斜面にて、サイズ1の面発生雪崩が報告されています。
2月26日の降雪は、南地区と西地区で多く、強い西風も相まって、東斜面にウインドスラブを形成させました。風上にあたる斜面は、風で削剥を受け、硬い雪面が露出しています。標高の低い場所では、直近の降雪の下に日射によるクラストが複数、埋もれています。形成間もない雪庇は脆い状態にあります。
高気圧に覆われ、南寄りの風が入り、良い天気となりそうです。日差しも強くなり、凍結硬度は1,000 mまで上昇します。風も終日、弱~中程度で推移しそうです。