更新日時: 2025/03/09 07:00
アルパイン Fair 限定的な観測による
森林限界 Good
森林帯 Good
信頼度:○ good □ Fair △ Low
最近の荒天の雪は沈降し、クラストとの結合も改善していますが、本日の昇温と降雨により、標高の低いところでの積雪表層の雪の強度は低下することになります。昇温により、樹木上にある雪塊の落下もありますし、既に落下し、雪に埋もれているブロックにも注意が必要です。
北風が西への方角を変え、今日の午後には更に南西への変化します。それに伴う表層の雪の再配分を考える必要があります。
標高の低いところでは、昇温と降雨の影響を受け、表層の雪の結合力が低下し、点発生雪崩の危険が上がります。
余市岳エリアでは、サイズ1.5のストームスラブの雪崩が、標高900 mの北東斜面で観察されています。この雪崩は自然発生です。また、雪崩情報区域の外ですが、島牧エリアにて、サイズ2.5のウインドスラブの雪崩が観察されています。この雪崩は自然発生で、雪庇の崩落がきっかけと推定されています。いずれの雪崩も巻き込まれた人はいません。
ニセコエリアでは、融解凍結クラスト(3月3日形成)の上に25 cm程度の新雪が載っており、その境界面に、こしもざらめ雪が観察されています。余市岳エリアでは、荒天の雪はもう少し多く、45 cm程度あります。いずれの地域でも、日射の影響のある斜面では標高1,100 m、日陰側では標高800-900 mまで形成しているクラストの上に新雪は載っています。この数日で、日射の入った場所では、薄いクラストが新雪に挟まっています。積雪の中層と下層は強度が高い状態にあります。
南西側から高気圧の影響を受け、穏やかな西風が吹くとのこと。山麓の気温は+3 ℃まで上昇し、天候は概ね曇り、標高が低いところでは、午後には小雪は雨となる予報がでています。