更新日時: 2024/03/03 05:30
アルパイン Low
森林限界 Low
森林帯 Fair 上部区域では「3 警戒」として行動を
信頼度:○ good □ Fair △ Low
昨日の比べ、雪崩危険度は下がりつつありますが、特定の地形には、まだ雪崩が発生するに十分な不安定性が残っています。つまり、あなたの地形選択がとても大事な日です。雪面に残る風の影響を探し、ウインドスラブの形成に気づいてください。足裏からの感触で、雪の変化に気づくかもしれません。地形が積雪を支えにくい凸状や孤立した地形を避け、シンプルかつ緩い斜面を探してください。雪は冷えていますので、斜度を落としても、風の影響の弱いところであれば、十分に新雪を楽しめます。また、斜面の下方に「地形の罠」がないかの確認も忘れずに。安全な地形を使った原則的な行動様式を大事にしてください。良い一日を。最後に、風吹岳と遠見尾根の事故関係者へのお願いです。もし、可能であれば、ホームページのお問い合わせフォームからご連絡をいただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
昨日から継続的に主稜線では強い西風(平均10-15 m/s)が吹いています。支尾根の側面などに形成している地形局所にあるウインドスラブにも十分に警戒が必要です。
標高の高いところでは、強風から守られている地形内に形成しているスラブに警戒してください。
森林限界付近の北斜面にて、注意すべき再結晶化した雪が観察されています。この雪は21日の降雨による融解凍結クラストあるいは氷板の上に形成しており、妙高三田原山での雪崩事故の原因にもなっています。標高の高い北~東に面した斜面には、大きな不確実性があります。積雪上層のスラブが薄いところ、地形が積雪を支えない形状、これらが組み合わさる急斜面では、規模の大きな雪崩が発生しうるポテンシャルがあります。
昨日(2日)は、スキー場での安全管理にて、サイズ1-1.5のストームスラブの雪崩が報告されています。また、山岳エリアでは、樹林帯でも凸状地形にて、シューティングクラックやサイズ1の雪崩が多数、報告されています。風吹岳、遠見尾根では、負傷者の出る雪崩事故が発生しています。
Hakuba Valley北部地域の積雪の全体特徴は、2月29日夜から3月1日に降った結束性の低い雪の上に、その後の風の影響を受けた密度の高い雪が載る「逆構造」となっています。この特徴が強く出るところで、昨日は、多くのシューティングクラックや雪崩が観察されました。また、森林限界付近の北側の斜面にて、積雪中層で再結晶化した雪が観察されており、注意すべきテスト結果がでています。不確実性が高く、追加の調査が必要な状況です。
気象庁は長野県北部に対し、南の風、晴れ、後、曇り、夕方から雪、日中の最高気温8 ℃(標高418 m)を予報しています。アメダス白馬(標高703 m)にて、気温-6.9 ℃(5時現在)です。長野県地方気象台は、3月3日4時16分、長野県北部に対し、4日6時までの24時間で20 cmの降雪を予報しています。