更新日時: 2025/01/16 05:30
アルパイン Fair
森林限界 Low 風の影響の程度が不明
森林帯 Good
信頼度:○ good □ Fair △ Low
昨日の極めて危険な雪崩コンディションは解消しつつありますが、まだ、十二分に警戒すべき状況にあります。森林帯であっても、大きく開けた斜面に入ることは、おすすめしません。特に、南に面した急斜面では、新雪の下に融解凍結クラストが埋もれており、大きな雪崩を発生させるポテンシャルがあります。雪崩の危険を下げる最良の手段は、緩い斜面を選ぶことです。しかし、大量の新雪によって、スピードがでません。その結果、どうしても雪崩にとって最適な急斜面に、私たちは向かってしまう傾向があります。今日も、昨日と同じく、スキー場内で新雪を楽しむのに適した日です。新雪エリアを楽しむ際は、仲間と一緒に滑る「バディ・システム」を使ってください。深い雪に埋もれて、雪崩でなく、窒息する事故も発生しています。
低温のため、不安定性の解消には時間が掛かります。また、昨日は、結束性が低い雪が大量に降ったことで、とても軟らかいスラブの雪崩が多数発生しました。本日は、その軟らかいスラブを構成していた雪が、焼結を進め、よりしっかりしたスラブを構成しています。このため、より大きな雪崩が発生しやすい状態にあります。
現在、主稜線でも風は収まっていますが、昨日深夜まで、極めて強い北西~北の風が主稜線では吹いています。大量の新雪が、この風で風下に移動し、ウインドスラブを形成しています。結束性が低い雪の上に、高い密度のスラブが載っていますので、典型的な不安定な積雪である逆構造の場所が多数、出現しています。
昨日(15日)は、スキー場の朝の管理作業にて、非常に多数のストームスラブの雪崩(サイズ1-2)が発生しました。また、とても危険なコンディションのため、コース閉鎖の対策も取られました。このような状況のため、山岳域でのデータはありません。
今回の大量降雪は森林帯で100 cm程度となっています。昨日よりも気温が低下(16日5時。1,570 m, -11℃、2,400 m, 16℃)しているため、新雪の安定化は、ゆっくりになります。また、主稜線では平均15 m/s、最大25 m/s以上の北西~北の風が、昨日の昼から深夜にかけて吹いていました。このため、降雪自体は収まってきていますが、大量の新雪が風で移動しています。
本日は、Hakubavalleryは、高気圧に緩やかに覆われますが、気圧の谷や寒気の影響を受ける見込みです。気象庁は長野県北部に対し、北の風、後、南の風、曇り、昼過ぎから夕方、晴れ、所により、朝晩、雪、日中の最高気温3 ℃(標高418 m)を予報しています。アメダス白馬(標高703 m)にて気温-4.6 ℃(5時現在)、過去12時間で積雪深の増加はありません。