更新日時: 2025/01/17 07:00
アルパイン Low 観測データが不足。滑走者の誘発報告あり。
森林限界 Fair 誘発による雪崩の種類は把握されており、今後も継続の可能性
森林帯 Good 誘発による点発生とストームスラブの問題が存在
信頼度:○ good □ Fair △ Low
滑走者によって誘発された雪崩の報告が増えています。また、リモートトリガーや持続型の弱層も報告されています。行動計画の慎重な立案と保守的なルート設定をしたとしても、リモートトリガーによる雪崩の危険に曝される可能性があることを忘れないでください。なぜなら、このような種類の雪崩は、平らな場所あるいは傾斜の緩い(通常は雪崩が発生しない)場所で誘発され、その上方にある大きな急斜面に伝播することで、あなたを巻き込むことになるからです。
誘発感度と空間分布に高い不確実性が存在するものの、持続型弱層が生じた可能性があり、調査を行う予定です。今後の降雪量によっては、雪崩発生の可能性と規模の拡大が考えられます。数日後、凍結高度が上がる昇温が予報されていますが、このような時、雪崩の活動は、しばしば活発化します。昇温の後、気温が十分下がれば、雪崩の活動も収まる傾向があります。
ストームスラブが敏感に反応しています。今日も、前日と同様に誘発しやすい状態が続く可能性が高いです。
とても急あ斜面では点発生雪崩が起こる可能性があります。スラフであっても、「地形の罠」にはまる危険があるので注意してください。
森林限界より標高の高いところに形成しているウインドスラブについては情報が少なく、信頼度が低い状況です。
昨日(16日)、ニトヌプリとチセヌプリの森林限界にて、滑走者の誘発によるサイズ1の雪崩が多数報告されました。雪崩の種類は、点発生雪崩、ストームスラブです。尻別岳では、サイズ1のストームスラブが、斜度38°の凸状地形で誘発されました。ウインドスラブは報告されていません。また、キロロエリアでは、標高1,050 mの平坦地の端の小さい凸状地形でスキーカットを試みたところ、シューティングクラックが5 m走り、離れた位置(斜度39°)から、流下距離40 mの雪崩が発生しています。これは30 cmほどの深さに埋もれた表面霜が原因と考えられています。
降雪は朝まで続きました。積雪の上層には、クラストや弱層が埋まり、複雑な状況になってきています。表層を構成するのは、主にストームスラブとウインドスラブですが、その下(雪面から30-40 cm)に表面霜や再結晶化した雪も報告されています。滑走者による誘発の雪崩報告が増えてきています。
冬型の気圧配置は今日も継続です。稜線上の風は、北西で弱〜中程度で続きますが、余市エリアではより強い風が予報されています。全体的に降雪や曇りがちの天気となり、今後、数日間も氷点下の気温となりそうです。