更新日時: 2025/01/31 05:30
アルパイン Fair
森林限界 Fair
森林帯 Good
信頼度:○ good □ Fair △ Low
降雪が弱まる、あるいは停止しても、雪崩危険度が高い状態であることに変わりません。風で移動した相対的に密度の高い雪が、これまでの新雪の上の載る構造となっています。新雪は、まだ十分にその強度を上げていませんし、新雪の下層にある融解凍結クラストとも、まだ完全に結合していません。標高が低くとも、南に開けた大きな斜面では、大規模な雪崩が発生しうるポテンシャルがあります。経験が浅いグループは、今日も、スキー場内で楽しむことがおすすめです。
北寄りの風で形成したウインドスラブに警戒を。雪面が硬いことは、安全を意味しません。荒天の雪は、まだ十分強度を上げていません。よって、相対的に小さいウインドスラブを誘発することがキッカケとなり、その下層にある荒天の雪の弱層が破壊され、規模が拡大する可能性もあります。
風の影響の弱い地形では、新雪はとても深い状態です。小さい雪崩でも、深く埋没する状況であることを考えて地形選択を。
昨日(30日)は、スキー場の朝の管理で多数のストームスラブの雪崩が報告されました。そして、雪崩の危険度があまりにも高いため、リフト営業を中止したスキー場もあります。また、森林帯にある明瞭な雪崩道で、雪崩インシデントがありました。サイズは2-2.5、ストームスラブ、標高1,850 m、南東斜面。Skierが雪崩道を間隔を開けて通過中、上部で、自然発生の雪崩が起き、2人が巻き込まれました。1人は部分埋没、1人は埋没なしです。いずれも怪我はありません。詳細は現在、確認中です。
1月29日からの降雪は弱まりましたが、30日昼頃から風が非常に強まりました。主稜線では最大風速30 m/sを記録しています。このため、今回の大量降雪は、強い北寄りの風によって再配分されています。新雪内には、まだ十分に強度を上げていない層があり、また、その下層にある融解凍結クラストとの結合状態が良くないことも、昨日、森林帯で観察されています。
気象庁は長野県北部に対し、北の風、曇り、ところにより雪、日中の最高気温3 ℃(標高418 m)を予報しています。アメダス白馬(標高703 m)にて気温-3.5 ℃(5時現在)、過去12時間で新たな降雪はありません。長野地方気象台は31日4時39分、長野県北部に対し、2月1日6時までの24時間で20 cmの降雪を予報しています。主稜線(標高2,400 m)では、気温-15℃、平均16-17 m/s、最大22-25 m/sの北風が吹いています。