更新日時: 2025/02/10 05:30
アルパイン Low 荒天による情報不足
森林限界 Fair 積雪強度の空間的多様性
森林帯 Good
信頼度:○ good □ Fair △ Low
山岳の積雪コンディションは、山全体の危険度が高い状態から、特定の斜面のみ危険度が高い状態へと移行しつつあります。このようなとき、私たちは状況認知を誤りやすくなります。荒天の不安定性は、まだ完全に解消していません。慎重な地形選択と保守的な意思決定をしつつ、少しずつ、積雪状態の確認をしてください。積雪の表層がスラブの特徴を持つ急斜面は避けるように。昨日は滑走者による誘発による雪崩が発生しています。
風は収まりつつありますが、まだ、ウインドスラブに対する警戒は必要です。雪面が硬いことは、安全を意味しません。スラブの形成を認識できたら、斜度の緩い斜面へ移動することが大事です。
高い標高では低温が続いており、荒天の雪の不安定性の解消はゆっくりです。とても急な斜面に残る不安定な雪に警戒が必要です。
昨日(9日)は、森林帯と森林限界の北東斜面にて、サイズ2の雪崩が報告されています。いずれもウインドスラブによるもので、滑走者の誘発です。また、風の影響のある斜面で、シューティングクラックも報告されています。
森林帯では、荒天の雪はゆっくりと焼結と圧密を進めています。風の影響がある場所では、逆構造の積雪となり、シューティングクラックや雪崩が観察されています。概ね標高1,400 m以下に形成している融解凍結クラスト(2月3日埋没)の境界面の状態は、あまり良くなく、懸念される状態が続いています。また、森林限界付近まで形成している南面の融解凍結クラスト(1月25日埋没)についても、大きな雪崩を発生させるポテンシャルを有しています。
気象庁は長野県北部に対し、北の風、曇り、夜遅く。雪、日中の最高気温1 ℃(標高418 m)を予報しています。アメダス白馬(標高703 m)にて気温-4.7 ℃(5時現在)、過去12時間で新たな降雪はありません。長野地方気象台は2月10日4時2分、長野県北部に対し、2月11日6時までの24時間で30 cmの降雪を予報しています。主稜線(標高2,400 m)では、気温-16℃、平均5 m/s、最大12-13 m/sの北西の風が吹いています。