更新日時: 2025/02/16 05:30
アルパイン Fair
森林限界 Fair
森林帯 Good
信頼度:○ good □ Fair △ Low
以前の強風の影響が色濃く、山には残っています。硬い雪面の露出もありますし、とても滑走が難しいシュカブラが尾根上にはあります。また、標高を下げると、高い気温の影響でクラストが形成しています。雪崩の危険度は下がっていますが、とても急な場所や極端な地形では、不安定な雪が残っていると考えてください。風の影響のない日陰斜面には、まだ良い雪がたくさんあります。明日からは長い荒天のサイクルが始まります。良い週末を。
地形ポケットに形成している不安定なスラブに注意
日中の昇温と日射の影響の程度による
昨日(15日)は、標高1,800 m以下、日射と昇温の影響を強く受ける急斜面にて、スノーボールや点発生雪崩(サイズ1)が観察されました。また、雪庇の崩落なども報告されています。2月14日17時頃、八方尾根・崩沢でサイズ3の雪崩が発生しています。雪崩の破断面の厚みは3 m以上、流下した標高差は1,000 mの規模です。X (@npo_jan)に動画を上げてあるのでご覧ください。
昨日(15日)の高い気温と日射の影響で、荒天の雪は沈降と焼結を進めました。13日から14日にかけての暴風の影響がある場所では、硬い旧雪面の露出やシュカブラが多数できています。融解凍結クラスト(2月3日形成)が再結晶化することで、その強度が低下しています。また、その上面に、こしもざらめ雪(粒径1mm)が形成しています。この持続型弱層は、埋没の深さも形成状態も、場所によってかなり異なっています。弱層の上には硬度の高い雪が載っていますので、誘発の可能性は低いといえます。しかし、この弱層は、崩沢の雪崩にも関係しているので、今後も調査を行う予定です。標高1,800 m以上の南側の急斜面には、大きな雪崩を発生させうる、不確実な要素が隠れていることを覚えておいてください。
気象庁は長野県北部に対し、北の風、晴れ、朝晩、曇り、所により、朝まで雪か雨、日中の最高気温10 ℃(標高418 m)を予報しています。アメダス白馬(標高703 m)にて気温-0.8℃(5時現在)、過去12時間で新たな降雪はありません。主稜線(標高2,400 m)では、気温-7.5℃、平均12 m/s、最大瞬間18 m/sの北寄りの風が吹いています。