更新日時: 2025/03/05 06:00
アルパイン Fair
森林限界 Fair
森林帯 Fair
信頼度:○ good □ Fair △ Low
標高帯によって異なった種類の雪崩の危険がある日です。高い標高では、直近の降雪で形成したスラブに警戒を。低気圧の通過に伴う粒径の大きな雪が降りました。よって、新雪が風で再配分されることでスラブが形成した急斜面では、人一人の刺激で雪崩が発生しうると考えてください。この種類のストームスラブは軟らくても、人の刺激に反応しやすい傾向があります。また、新雪がグライドクラックを見えにくくさせていますので、斜面の変わり目に注意を。一方、標高の低いところでは濡れた雪の雪崩に警戒が必要です。
風によって新雪の堆積量の多くなっている急斜面に注意を。森林帯は、降雨となっていない標高の高いところでの評価。
融解凍結クラストに載る新雪が、今朝からの降雨で濡れることで、面発生湿雪雪崩の危険が上がります。標高が低い区域で警戒を。
降雨となっている標高の低い場所では全層雪崩の危険あります。既にグライドクラックが入った斜面には近づかないように。崖状の地形に残る雪ブロックの崩落にも警戒を。
昨日(4日)は、森林限界の北東斜面にて、サイズ1のストームスラブの雪崩が報告されています。この雪崩はスキーカットによる発生です。また、3月3日の降雨の時に発生したと思われる面発生湿雪雪崩(サイズ3-3.5)が八方尾根の南面(標高1,400 m付近)で観察されています。この他、森林帯では、全層雪崩(サイズ1-2)が複数、観察されています。
3月3日からの降雪は、4日14時頃から南岸低気圧による降雪へとつながり、今朝までに森林帯の上部で20-30 cmとなった模様です。この新雪の下には、とても硬い融解凍結クラストがあります。標高の低いところ(標高800 m以下)では、今朝から雨となっています。標高の高いところでは、新雪内にある脆弱性、あるいは新雪と旧雪の結合状態の確認が必要です。標高が低いところでは、濡れた雪の雪崩に警戒する必要があります。
気象庁は長野県北部に対し、南の風、やや強く、後、北の風、曇り、昼過ぎまで時々、雨か雪、日中の最高気温9 ℃(標高418 m)を予報しています。アメダス白馬(標高703 m)にて気温-1.1 ℃(6時現在)、過去12時間で9 cmの降雪がありました。主稜線(標高2,400 m)では-3.4 ℃(5時現在)、平均10 m/s程度の北西の風が吹いています。