更新日時: 2025/03/14 05:30
アルパイン Fair
森林限界 Fair
森林帯 Fair 昇温と日射の程度に留意
信頼度:○ good □ Fair △ Low
標高の高いところでは、硬い雪面での滑落に注意を。現在、強い北寄りの風が吹いています。3月12日午後からの降雨は、標高2,000 m付近まではしっかり降っており、雪面に雨による溝が形成しています。標高の低いところでは、高い気温と日射の影響で、グライドクラックの動きが活発になっています。クラックの入った斜面には近づかないように。また、そのような場所の下を通過する際は、仲間との間隔を開けて、素早く移動してください。崖状の地形に残る雪ブロックも不安定ですので、休憩するときや止まるときは、自分の上方を見上げて、そのような危険要素がないか、確認してください。
昨日(13日)は、山麓(標高703 m)にて、12時に11.2℃を記録しています。多量の融解水が積雪をゆっくりと融かしつつあります。雪面が凍結していることは、安全を意味しません。グライドクラックの動きが活発で、斜面には雪シワが発生していることも報告されています。クラックの入った斜面には近づかないようにしてください。
評価は朝の時点でのもの。日中の昇温と日射によって、雪面の雪の強度が低下する兆候を見逃さないように。濡れた雪は、とても重いため、とても小さい雪崩でも、簡単に人の足元をすくい、転倒させます。
昨日(13日)は、すべての標高帯にて、サイズ1-2の点発生湿雪雪崩が観察されました。これらは、当日あるいは前日に発生したもので、自然発生のものも、人的な誘発によるものもありました。特に、標高の低い南に面した急斜面で多く発生しています。また、グライドクラックの拡大も報告されています。
積雪の表面付近は、融解と凍結を繰り返し、ざらめ雪へと変化しつつあります。高い気温が継続することで、濡れた雪の層の厚みは増し、徐々に、規模の大きな点発生湿雪雪崩が起こるようになります。今朝は、夜間の冷え込みにより、雪面は硬く凍結していますが、日中の昇温で、それが融解し始める変化に注意してください。雪面が凍っていても、融解水が出ているため、グライドクラックの動きは続いています。全層雪崩への警戒は、今日も必要です。
北西方向から冷たい空気をもった高気圧が東へと移動しつつあるため、気象庁は長野県北部に対し、北の風、晴れ、朝晩、曇り、日中の最高気温12 ℃(標高418 m)を予報しています。アメダス白馬(標高703 m)にて気温-2.5 ℃(5時現在)、過去24時間で降雪はありませんでした。主稜線(標高2,400 m)では-6.5 ℃(5時現在)、平均13 m/s、最大瞬間風速22 m/s程度の北寄りの風が吹いています。