更新日時: 2025/03/18 05:30
アルパイン Fair
森林限界 Fair
森林帯 Fair
信頼度:○ good □ Fair △ Low
天候が回復しても、雪崩への警戒を緩めてはいけない日です。昨日、人の刺激に新雪は敏感に反応しています。今日も、それが継続していることを前提に、慎重なルートセッティングと保守的な地形選択が必要です。大きな開放斜面を避け、傾斜の緩い、小さい地形から1日を始めてください。その際は、新雪内にある不安定性と、新雪と旧雪の結合状態を確認するように。南に面した急斜面では、日射の影響で新雪がスラブの傾向を強めると、規模の大きな雪崩が発生しうるポテンシャルがあります。再び、低気圧が接近しており、夜からはまとまった降雪が始まる予報がでています。それを考慮した行動計画を。
昨日の日中、主稜線では20 m/sを超える暴風が吹いています。ウインドスラブの形成を痕跡を雪面に探しなら行動し、危険を避けるようにしてください。稜線直下だけでなく、クロスローディングで堆積する急斜面に警戒を。
真冬並みの寒気が入っており、雪は冷えています。結果、昨日、人の刺激に敏感に反応した不安定性の解消には時間が掛かります。さらに、表層の新雪がスラブの特性を強めると、下層にある硬い融解凍結クラストとのコンビネーションで、雪崩はより発生しやすくなります。
昨日(17日)は、サイズ1-1.5のストームスラブが多数、報告されました。いずれもスキーカットなど、人的な刺激によるものです。また、5 m以上の長さのシューティング・クラックも、複数、報告されています。
3月16日の低気圧の通過から始まった荒天は、森林帯の上部よりも標高の高いところで、50-60 cmの新雪をもたらしました。昨日(17日)は、この新雪内にある脆弱性で、多数の雪崩やシューティング・クラックが観察されています。また、旧雪である融解凍結クラストとの結合については、温度勾配が報告されており、今後も警戒を続ける必要があります。
気象庁は長野県北部に対し、南の風、後、北の風、晴れ、夕方から曇り、所により、夜遅く、雪、日中の最高気温8 ℃(標高418 m)を予報しています。アメダス白馬(標高703 m)にて気温-5.0 ℃(5時現在)、過去24時間で8 cmの降雪がありました。主稜線(標高2,400 m)では-15 ℃(5時現在)、平均7 m/s、最大瞬間風速10 m/s程度の北寄りの風が吹いています。