更新日時: 2024/02/12 05:30
アルパイン Fair 天候が回復してもウインドスラブに十分な警戒を
森林限界 Fair 天候が回復してもウインドスラブに十分な警戒を
森林帯 Fair
信頼度:○ good □ Fair △ Low
昨日の楽しかった滑走は忘れ、今日は新たな気持で積雪状態を考えないといけない日です。主稜線ではとても強い西風が吹き始めていますので、その影響を探りながら行動してください。南面では昨日形成したクラスト、北側では乾いた雪の上に、今朝までの降雪が風の影響を受けて堆積しています。自分の上方に大きな発生区がないか、地形が積雪を支えにくい凸状ではないか、歩いている際、シューティングクラックが生じていないか、など、注意を向けるべきことはたくさんあります。朝は視界が悪いので、状況認知がしずらくなります。仲間と良いコミュニケーションを取り、保守的なルートセッティングと慎重な地形選択をお願いします。
主稜線では、早朝から最大20 m/s を超える強い西風が吹き始めています。この風で移動した雪によって形成した新しいウインドスラブに警戒してください。単純な風下斜面だけでなく、支尾根や沢地形の側面部に形成したウインドスラブにも十分な注意が必要です。
風の影響で、より雪が堆積している急斜面に警戒してください。
昨日(11日)は、スキー場の朝の安全管理にて、サイズ1-1.5のストームスラブの雪崩が、多数、南東から北東の斜面で報告されました。また、山岳区域では、アルパインエリアの南東斜面にて、サイズ1.5-2の面発生雪崩が複数、観察されました。いずれも自然発生です。また、風の影響が強い雪が堆積した場所では、シューティングクラックも報告されています。一方、標高のとても低いところでは、サイズ1の点発生湿雪雪崩が観察されました。
10日昼過ぎからの降雪は、Hakuba Valleyの北部で60 cm程度、南部で30 cm程度となり、昨日(11日)には一旦終わりました。昨日の時点で懸念されていた表面霜の不安定性の問題は、複数の観察から、現時点では問題は発見されませんでした。一方、新雪内に結合の弱い箇所があり、人の刺激への反応を見せていました。高めの気温と日射の影響で、南面では沈降を進めましたが、北面ではドライのまま保たれています。本日未明から今朝までに森林帯上部にて10 cm程度の降雪がありました
本日は、はじめ気圧の谷や寒気の影響を受けますが、次第に高気圧に覆われる見込みです。気象庁は長野県北部に対し、北の風、晴れ、明け方まで雪、日中の最高気温6 ℃を予報しています。アメダス白馬(標高703 m)にて、気温-3.9 ℃(5時現在)です。