雪崩情報

更新日時: 2025/01/18 07:00

ニセコ・羊蹄・余市・尻別


アルパイン Low 不確実性が高い状況


森林限界 Fair 急激な昇温によるスラブの誘発感度の変化


森林帯 Fair 昇温と日射が与える影響の大きさ


信頼度:○ good □ Fair △ Low

行動と地形の助言

晴天となれば、視界が効くので地形の認識や仲間のトレースも追いやすくなるでしょう。しかし一方で、人の行動は大胆になりがちで、よりリスクがある選択をしがちです。どのような行動が適切ではないのか考えてみてください。ウインドスラブとストームスラブが落ち着くまでは、もう少し時間が必要です。雪庇は成長し、強度は弱いままです。日中の強い日差しを受ける斜面では、大きな雪崩が発生しうるポテンシャルがあります。今日は慎重な行動が必要です。大きな開放斜面は避け、一人ずつの滑走を心がけてください。そうすれば、もし、事故が発生しても、小さくすることができます。

留意すべき雪崩

ストームスラブ Storm slab


ベース画像

昇温と日射の影響が強い斜面ではストームスラブの誘発感度が上がる可能性があります。

ウインドスラブ Wind slab


ベース画像

昨日、アルパインでは、雪が風で再配分されている状況が報告されています。森林帯では、結束性の低い雪の上にウインドスラブが載っています。

点発生乾雪雪崩 Dry Loose snow


ベース画像

38°を超えるような急斜面では、結束性の低い雪の下にクラストがあり、点発生雪崩の危険があります。

概要

雪崩


昨日(17日)の雪崩発生の報告は少なめでした。しかし、新しいストームスラブやウインドスラブが顕著に形成しつつあることは観察されています。誘発の報告が少なかったのは、とても寒く人が活動的でなかったことや、視界不良、そして皆さんの慎重な行動によるものだと思います。そうした中でいくつかの報告があり、羊蹄山の標高1,600 m付近、東斜面にて、サイズ1のストームスラブの発生がありました。滑走者による偶発的な雪崩です。また、アンヌプリのモイワエリアの標高900 m付近にて、自然崩落による雪庇の落下がありました。

積雪


積雪は増加を続けており、多くの地区で3 mを超えています。アルパインの風下斜面には1m以上の風で移動した雪があり、森林帯でも50-60 cmの荒天の雪が堆積しています。これらの雪が結合力を高めるには、もう少し時間が必要です。そして、この新雪と旧雪との結合の程度は気になるところです。積雪上層は日射や昇温の影響で焼結を急速に進め、硬度を簡単に上げますが、その下層には、まだ十分に強度を上げていない雪があることに注意する必要があります。この構造の強弱が強く出現する場所では、大きなストームスラブが発生する場合があります。これが今日の懸念事項です。

天候


今日は高気圧に覆われ、雪崩情報の区域では晴れる予報です。風は弱く、晴れ、時々、曇りで、早朝は雪が残るかもしれません。気温は引き続き低温が続きますが、南に面した急斜面では日射の影響が強くでるかもしれません。

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