更新日時: 2025/02/03 05:30
アルパイン Fair
森林限界 Fair 地形局所の不安定性
森林帯 Good 日中の昇温の程度
信頼度:○ good □ Fair △ Low
全体的に見れば、雪崩危険度は低い日です。しかし、次の2つのことには十分注意してください。北~東側のとても急峻な地形では、人の刺激に対して、荒天の雪は、まだ、反応するかもしれない、ということ。もう一つは、標高の高い場所では、今朝からの風によて、新しい小さいウインドスラブが地形ポケットに形成している可能性があること。いずれも斜面の下方に「地形の罠」があれば、重大な結末となりえます。また、南風が入り、大幅な昇温が予報されています。日差しがあった場合、それが促進されますので、森林帯の南に面した急斜面では、日中の雪の変化に注意してください。森の中は、グライドクラックが多数あり、新雪で隠れていることも忘れないように。
昨日、森林限界付近では、粒径2-3 mmの新雪が5-10 cm降っています。この雪が今朝からの風で移動し、薄いウインドスラブを形成している場所は、人の刺激に対して敏感な反応をするかもしれません。積雪全体が安定しているように感じても、地形ポケットに存在する不安定なスラブに警戒してください。
昨日(2日)は新しい雪崩は報告されていません。
荒天の雪は順調に沈降を進めていることが観察されています。まだ、完全に不安定性が解消されたわけではありませんが、良い傾向にあります。森林限界とアルパインでは、以前の強い北西の風で形成したウインドスラブが風下側にあります。こちらも強度を上げていますが、まだ、完全に安定しているわけでもありません。昨日は風が収まっていましたが、今朝3時頃から、再び強い北西の風が吹き始めています。
気象庁は長野県北部に対し、南の風、曇り、時々、晴れ、昼過ぎから雪、日中の最高気温10 ℃(標高418 m)を予報しています。アメダス白馬(標高703 m)にて気温-0.8 ℃(5時現在)、過去12時間で新たな降雪はありません。主稜線(標高2,400 m)では、気温-7℃、平均15 m/s、最大瞬間20 m/sの北西の風が吹いています。