更新日時: 2020/01/30 06:00
Alpine Fair
Treeline Fair
Below Treeline Fair
信頼度:○ good □ Fair △ Low
森林限界から上部で危険な雪崩コンディションです。北から東に面した斜面には、誘発の可能性が低くとも、一旦、発生した場合、規模の大きな雪崩が起こりうるポテンシャルがあります。昨日の時点で、この標高と方位で雪崩が発生しており、その詳細は不明ですが、本日も、その危険が継続していると考える必要があります。どのような雪崩であれ、斜度を落とすことが最も効果的な安全対策です。滑走したい斜面の先に「地形の罠」がないかを考え、原則的な行動様式を大切にしてください。天気予報は冬型への移行に伴う降雪を予報しています。午後に向かって風雪が強まることを念頭に行動計画を。
昨日(29日)は、標高2,000 m ~2,300 m付近の北側斜面にて、自然発生あるいは人的な刺激による面発生雪崩(サイズ1-2)が複数観察されています。標高2,200 m付近でワッフ音もありました。また、標高1,800 m以下の場所において、濡れた雪による多数の点発生雪崩(サイズ1)がスキーカットなどによって発生、また雪庇崩落によるサイズ2.5の雪崩も起きています。
昨日の時点で、概ね標高2,000 m以下では、降雨と昇温(昨日14時、7.7℃、標高700 m)の影響が大きくあり、積雪表層は濡れたあるいは湿った状態となりました。一方、それ以上の標高において、積雪は湿ったあるいは乾いたコンディションにあります。ゆっくりした低気圧の動きに伴い、強い南寄りの風が吹いていましたが、昨日の昼過ぎには西寄りへと方位を変え、アルパインエリアの雪を東側に移動させています。森林限界から上部においては、以前の好天による再結晶化した雪が埋もれており、それが原因と考えられるワッフ音も報告されています。現在、この結合力の弱い雪の上に、風で移動した雪(ウインドスラブ)が載っている状態のため、潜在的な危険度は上がっています。
気象庁は長野県北部に対し、南の風、後、北の風、晴れ、後、くもり、夕方から雪か雨、最高気温10℃(標高400 m)を予報しています。白馬山麓(標高700 m)にて気温0.6℃(5時現在)、標高1,300 m付近で新たな降雪は観察されていません。