更新日時: 2025/02/09 05:30
アルパイン Low
森林限界 Fair 荒天による情報不足
森林帯 Good
信頼度:○ good □ Fair △ Low
危険な雪崩コンディションが継続しています。すべての標高帯において、積雪の表層がスラブの特性を持つ急斜面に警戒してください。また、森の中にいても、自分の上方に雪崩発生区がないか、考えてください。まだ、とても規模の大きな雪崩が発生しうるコンディションは継続しています。荒天の雪は、とても深く、軟らかい状態です。転倒すると起き上がることが難しい場所もあります。「地形の罠」がある場所では、とても小さい雪崩でも完全埋没しますので警戒を。経験が浅い方は、スキー場内での新雪滑走がおすすめです。
主稜線では継続的に強い北~北西の風が吹いています。その風が、どの標高まで降りてきて、どのような場所にウインドスラブを形成しているか、注意深く、観察する必要があります。
積雪の表層がスラブの特性をもつ急斜面に注意
昨日(8日)は、北地区の森林帯、東から南に面した斜面で、複数のサイズ1.5のストームスラブの雪崩が報告されています。滑走者による誘発です。この内、いくつかは2月3日埋没の融解凍結クラストを滑り面としています。昨日は荒天のため、標高の高い場所での情報はありません。
降雪のピークは超えましたが、北地区の森林帯では10-15 cm程度の降雪があった模様です。これまでの荒天の雪は概ね190-210 cmに達しています。荒天の雪の下層は、ゆっくりと焼結と圧密を進め、強度を上げてきていることが観察されています。しかし、新雪内に複数ある結合力の弱い箇所で、人的な刺激で雪崩が発生しています。また、この荒天の雪の下にある融解凍結クラストとの結合状態には懸念が残っています。この融解凍結クラストは概ね標高1,400 m以下に存在しており、遠見尾根や八方尾根の南面にて、規模の大きな雪崩を起こしうるポテンシャルを持っています。ここにある大きな不確実性が解消するには時間が必要です。
気象庁は長野県北部に対し、北の風、曇り、時々、雪、日中の最高気温1 ℃(標高418 m)を予報しています。アメダス白馬(標高703 m)にて気温-5.1 ℃(5時現在)、過去12時間で4 cmの積雪増がありました。長野地方気象台は2月9日4時9分、長野県北部に対し、2月10日6時までの24時間で30 cmの降雪を予報しています。主稜線(標高2,400 m)では、気温-16℃、平均15 m/s、最大20 m/sの北寄りの風が吹いています。