更新日時: 2024/03/04 05:30
アルパイン Low
森林限界 Low
森林帯 Fair
信頼度:○ good □ Fair △ Low
とても危険な雪崩コンディションです。北から東の斜面では、極めて大きな雪崩が発生しうる状況にあります。たとえ標高の低いところにいたとしても、標高の高いところにある大きな発生区の存在を認識する必要があります。森の中にいても、その中にある雪崩発生区や走路を、しっかりと識別し、慎重な地形選択と保守的な意思決定が必要です。経験の浅いグループはスキー場内で新雪を楽しむの適した日です。その際は滑走可能なコースを守ってください。それはあなたの安全のためですし、同時に、他のゲストの安全にも極めて重要です。
昨日午後から今朝までに、森林帯にて30 cm程度の降雪量となっています。主稜線では平均10 m/sの西風が吹いています。
標高が高いところだけでなく、森林帯上部(1,700 m付近)でも、問題となりそうな再結晶化した雪があることが確認されています。昨日からの新雪は、持続型弱層に対して、大きな負荷を加えています。一般的に、持続型スラブは大きな気象現象(今日のような大量降雪)があった場合、雪崩活動が活性化することが知られています。
昨日(3日)は、サイズ1.5のウインドスラブの雪崩が報告されました。滑走者による誘発です。シューティングクラックの報告もありました。また、過去24時間以内に発生したと思われるサイズ1.5-2の面発生雪崩が複数観察されました。
積雪コンディションは、極めて複雑で、場所による大きな多様性があります。北~東に面した積雪中層には、大きな雪崩を発生させうる融解凍結層(2月21日の降雨形成)とこしもざらめ雪の組み合わせがあります。この弱層による雪崩も観察されています。積雪表層には、低気圧(2月29日)の通過時に降った粒径の大きな雪が残っており、一部、再結晶化して、雪崩を発生させています。雪面は、以前の強風の影響で、硬い雪面が露出しているところ、ウインドクラストが形成しているところ、あるいは軟らかいところと、さまざまです。ここに昨日午後からの降雪が載っています。
気象庁は長野県北部に対し、北の風、雪、昼過ぎから曇り、後、晴れ、日中の最高気温8 ℃を予報しています。アメダス白馬(標高703 m)にて、気温-2.2 ℃(5時現在)、過去12時間で17 cmの降雪がありました。